横須賀学院 小学・中学・高等学校 いじめ防止基本方針
第1章 いじめ防止に関する本校の考え方
1 本校の教育方針ならびに基本理念
学校法人横須賀学院は、1950年(昭和25年)に創立され、男女共学の小学校、中学校、高等学校設置の認可を得ました。『寄附行為』第3条には、「教育基本法及び学校教育法に従い、キリスト教主義に基づく学校教育を行い、人格、実力ともに秀でた人材を育成することを目的とする」と謳われています。
横須賀学院の、基本精神は「敬神・愛人」、生活目標は「誠実・努力・奉仕」です。そして「キリスト教の信仰に基づく教育によって 神の前に誠実に生き 真理を追い求め 愛と奉仕の精神をもって 社会に 世界に対して 自らの使命を果たす 人間の育成を目指します」とするミッションステートメント(2014年1月制定)に従い、人格の形成を目指しています。
そのために、すべての児童・生徒が安心して学校生活を送り、有意義で充実した様々な活動に取り組む事ができるよう、いじめ防止にむけても日常の指導体制を定め、いじめの未然防止に取り組むとともに、いじめを認知した場合は適切且つ速やかに解決するための「学校いじめ防止基本方針」を定めます。
(1)いじめの定義(いじめ防止対策推進法第2条より)
「当該児童生徒等と一定の人的関係にある他の児童生徒等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む)であって、当該行為の対象となった児童などが心身の苦痛を感じているものをいう。」
※留意点
① 個々の行為が「いじめ」に当たるか否かの判断は、表面的・形式的にすることなく、いじめられた児童生徒の立場にたつ。この際、いじめには、多様な態様がある事に鑑み、「心身の苦痛をかんじているもの」との要件が限定して解釈されることのないように努める。たとえばいじめられていても、本人がそれを否定する場合が多々あることを踏まえ、当該児童生徒の表情や様子をきめ細かく観察する必要がある。
② 「物理的な影響」とは、身体的な影響のほか、金品をたかられたり、隠されたり、嫌な事を無理やりされたりすることなどを意味する。けんかは除くが、外見的にはけんかのように見える事でも、いじめられた児童生徒の感じる被害性に着目した見極めをする。
③ インターネット上で悪口を書かれた児童生徒がいたが、当該児童生徒がそのことを知らずにいるような場合など、行為の対象となる児童生徒本人が心身の苦痛を感じるに至っていないケースについての加害行為を行った児童生徒に対する指導等についても、法の趣旨を踏まえた適切な対応をする。
④ 加えて、いじめられた児童生徒の立場にたって、いじめにあたると判断した場合にも、その全てが厳しい指導を要する場合であるとは限らず、具体的には好意から行った行為が意図せずに相手側の児童生徒に心身の苦痛を感じさせてしまった場合については、行為を行った児童生徒に悪意はなかったことを十分加味した上で対応する。
⑤ 具体的ないじめの態様は、以下のようなものがある。
・冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌な事を言われる。
・仲間外れ、集団による無視。
・軽くぶつかられたり、遊ぶふりをして叩かれたり、蹴られたりする。
・ひどくぶつかられたり、叩かれたり、蹴られたりする。
・金品をたかられる。
・金品を隠されたり、盗まれたり、壊されたり、捨てられたりする。
・嫌なことや恥ずかしいこと、危険な事をされたり、させられたりする。
・パソコンや携帯電話等で、誹謗中傷や嫌な事をされる。
(2)いじめの防止
すべての児童生徒に「いじめは決して許されない」ことの理解を促し、自分の存在と他人の存在を等しく認め、お互いの人格を尊重し合える態度などを養い、またいじめの背景にあるストレス等の要因に着目し、ストレスに適切に対処できる力を、カウンセラー、その他の部署と連携して養う。さらにすべての児童生徒が安心でき、充実感を感じられる学校生活づくりを進める。
(3)いじめの早期発見
いじめは、目につきにくい時間や場所で行われたり、遊びやふざけあいを装って行われたりするなどの特徴を認識し、早い段階から的確に関わりあいを持つ事を心がける。そのために、定期的なアンケート調査や担任面談、カウンセリングルーム、保健室などの働きを活用し、児童・生徒がいじめを訴えやすい体制をとる。
(4)いじめへの対処
いじめがあることが確認された場合、直ちにいじめをうけた児童・生徒やいじめを知らせてきた児童生徒の安全を確保し、いじめたとされる児童生徒に対し事情を確認した上で適切に指導する。その際組織的対応に留意し、家庭、関係諸機関などと必要に応じて連携をとる。
2 いじめ対策委員会の設置
(趣旨)
学校におけるいじめの防止等に関する措置を実効的に行うため、各学校にいじめ対策委員会(以下「小学校対策委員会」「中学校対策委員会」「高等学校対策委員会」)を設置する。
(構成)
・小学校いじめ対策委員会
校長、教頭、主事、宗教主任、学級担任、養護教諭
・中学校いじめ対策委員
校長、副校長、教頭、主事、宗教主任、各学年主任、クラス担任、カウンセラー、養護教諭
・高校いじめ対策委員会
校長、副校長、教頭、主事、宗教主任、各学年主任、クラス担任、カウンセラー、 養護教諭
(設置期間)委員会は常設の機関とする。
(所掌事項)
委員会は、学校が組織的にいじめの問題に取り組むにあたって、中心となる役割を担い、以下の内容を所掌する。
・いじめの防止等に関する取り組みの実施や年間計画の作成等に関する事。
・いじめの相談、通報の窓口に関する事
・いじめの疑いに関する情報や児童・生徒の問題行動等に係る情報の収集と記録、共有に関する事。
(年間計画)
◇小学校
4月 相談窓口の周知 全体保護者会 学級保護者会 学年遠足
5月 授業参観 全体保護者会 学級懇談会 PTA実行委員会 運動会
6月 キリスト教特別週間 花の日礼拝・訪問 保護者個人面談 キリスト教学校教育同盟教員研修会
8月 小学校教員夏季研修協議会
9月 自然学校 修学旅行 文化祭
10月 自然学校 保護者個人面談
11月 収穫感謝礼拝・訪問 学習発表会 神奈川県私立小学校連盟教員研修会
12月 クリスマス諸行事
1月 自然学校 学年保護者会
2月 授業参観 学年保護者会 小学校教員春季研修協議会
3月 保護者面談 卒業関連諸行事
◇中学校
4月 学習・生活ガイダンス 全体保護者会・学年学級懇談会
5月 全校縦割り班別遠足、食育・SNS講座 自然教室週間 公開授業・学年学級懇談会
6月 キリスト教教育週間・花の日礼拝 体育祭(縦割り)
7月 球技大会 保護者対象SNS講習会① 保護者面談(一部三者面談)
いじめに関するアンケート調査① ユースコミュニケーション講座
8月 教職員夏期研修会
9月 文化祭
10月 保護者学年学級懇談会
11月 合唱コンクール、収穫感謝礼拝
12月 クリスマス諸行事 保護者対象SNS講習会② いじめに関するアンケート調査②
保護者面談(一部三者面談)
1月 中3職業体験
2月 マラソン大会 公開授業・学年学級懇談会
3月 保護者面談(一部三者面談)
◇高等学校
4月 新入生オリエンテーション 全体保護者会①・学級懇談会
5月 全校遠足 公開授業・PTA実行委員会①、各学年学級委員会①
6月 キリスト教教育週間・花の日礼拝、教育実習受け入れ期間、授業公開週間
体育祭(縦割り) 各学年保護者会② いじめに関するアンケート①
7月 球技大会 PTA実行委員会② 授業アンケート調査①・保護者面談(一部三者面談)
8月 教職員夏期研修会
9月 文化祭
10月 高校2年体験学習、高校1・3年臨時時間割午後特別指導週間・保護者会
11月 収穫感謝礼拝 PTA実行委員会③
12月 クリスマス諸行事 保護者面談(一部三者面談) いじめに関するアンケート調査②
保護者面談(一部三者面談)
1月 高3特別講座
2月 高2女子ダンス発表会 PTA実行委員会④
3月 高1男子柔道大会、各学年学級委員会②
第2章 いじめの防止
1 基本的な考え方
いじめはどの子供にも起こりうるという事実を踏まえ、すべての児童生徒を対象に、いじめに向かわせないための未然防止に取り組む。また未然防止の基本は、児童生徒が、心の通じ合うコミュニケーション能力を育み、規律正しい態度で授業や行事に主体的に参加・活躍できるような授業づくりや集団づくりを行う。加えて、集団の一員としての自覚や自信を育む事により、いたずらにストレスにとらわれることなく、互いを認め合える人間関係・学校風土をつくる。さらに、教職員の言動が、児童生徒を傷つけたり、他の児童生徒によるいじめを助長したりすることがないよう、指導の在り方に細心の注意を払う。
2 いじめの防止等への啓発活動
児童・生徒、保護者及び教職員に対して、インターネットを通じて行われるいじめを含めた、いじめ防止等への理解を深めるために、啓発活動を行う。具体的には、礼拝、聖書の授業など本校のキリスト教教育全体を通して、また臨時時間割等で実施される情報教育の特別プログラム、学期末の指導などで生徒への啓発活動を行い、また「いじめの定義」、「いじめと認定される行為」について、具体的に、実例をしめしながら、児童生徒にいじめ行為の理解を深める。
保護者に関しては、毎月発行される(小学校:学級通信・学校だより、中学:学年通信、高校:学院通信)などを通して、啓発・情報提供に努め、教職員に関しては新任研修、夏期研修などの機会を利用し、啓発活動を実施する。
3 道徳教育及び体験活動等の充実
児童・生徒に対して、いじめの防止等の為に、礼拝・聖書の授業・キリスト教に基づく様々な教育プログラムを一層充実させ、また体験活動の充実を図る。
4 教職員の資質向上にかかる措置
教職員に対して、いじめの防止等のために、新任研修、夏期研修などの校内研修等を利用し資質の向上を図る。
第3章 いじめの早期発見
1 基本的な考え
いじめは、目につきにくい時間や場所で行われたり、遊びやふざけあいを装って行われたりするなどの特徴を認識し、早い段階から複数の教職員で的確に関わり、いじめを積極的に認知する。また日ごろから児童・生徒の見守り信頼関係の構築などに努め、教職員相互が積極的に児童生徒の情報交換を行い、情報を共有する。
2 相談体制の整備
児童・生徒及び保護者に対して、いじめの早期発見のために、相談体制を整備する。具体的には、小学校においては、担任と保護者との個人面談、保護者会、学級懇談会を活用するほか、日々の学校生活の中でも家庭と学校がこまめに連絡を取りあう信頼関係を築く。また定期的に学年会を開き、担任以外の教員との情報交換に努める。中高においては、担任による保護者・生徒面談の他、カウンセリングルーム、保健室の働きを結びつけるカウンセリング委員会(隔週実施、構成:高校副校長、中高主事、高校各学年主任、中学各学年委員、中高宗教委員、中高カウンセラー、養護教諭、各学年委員)を活用する。
3 定期的な調査その他の必要な措置
児童・生徒に対して、いじめの早期発見のために、いじめに関する定期的な調査その他必要な措置を講じる。具体的には、年間計画に示したアンケート、担任面談などを中心に実態把握に努める。
4 いじめの疑いのある事案を把握したときの措置
児童・生徒、保護者及び教職員等から、学校に在籍する児童・生徒がいじめを受けていると思われるとの通報を受けた場合等、委員会を中心として、速やかに事実の有無の確認を行うための措置等に着手する。
第4章 いじめの対処
1 基本的な考え
発見・通報を受けた場合には、特定の教職員で抱え込まず、速やかに組織的に対応する。被害児童生徒を守り通すとともに、教育的配慮の下、毅然とした態度で加害児童生徒を指導する。その際、謝罪や責任を形式的に問う事に主眼を置くのではなく、社会性の向上など、児童生徒の人格の成長に主眼を置いた指導を行う。
また教職員全員の共通理解の下、保護者の協力を得て、関係機関・専門機関と連携し、対応に当たる。
2 いじめの発見・通報を受けた時の対応
① 遊びや悪ふざけなど、いじめと疑われる行為を発見した場合、その場でその行為を止める。
② 児童生徒や保護者から「いじめではないか」との相談や訴えがあった場合には、真摯に傾聴する。ささいな兆候であっても、早い段階から的確に関わりを持つことに留意する。
③ いじめられた児童生徒やいじめを知らせてきた児童生徒の安全を確保する。
④ 発見・通報を受けた教職員は、一人で抱え込まずに、学年主任、校務会メンバーと情報を共有し、組織的に情報を共有する。その後各学校対策委員会が中心となり、関係児童生徒から事情を聴きとる等して、いじめの事実の有無の確認を行う。事実確認の結果は、校長が責任を持って(学校の設置者に報告するとともに)被害・加害児童生徒の保護者に連絡する。
⑤ 児童生徒の生命・身体又は財産に重大な被害が生じるおそれがあるときには、直ちに所轄警察署に通報し、適切な援助を求める。
3 いじめられた児童生徒又はその保護者への支援
① いじめられた児童生徒から、事実関係の聴取を行う。その際、いじめられている児童生徒にも責任があるという考え方はあってはならず「あなたが悪いのではない」ことをはっきりと伝えるなど自尊感情を高めるように留意する。また児童生徒の個人情報の取り扱い等、プライバシーには十分留意し以後の対応を行う。
② 家庭訪問等により、その日のうちに迅速に保護者に事実関係を伝える。いじめられた児童生徒や保護者に対し、徹底して守り通す事や秘密を守る事を伝え、できる限り不安を除去するとともに、事態の状況に応じて複数の教職員の協力の下、当該児童生徒の見守りを行うなど、いじめられた児童生徒の安全を確保する。
③ いじめられた児童生徒にとって信頼できる人(親しい友人や教職員、家族、地域の人等)と連携し、いじめられた児童生徒に寄り添い支える体制をつくる。
④ いじめられた児童生徒が安心して学習その他の活動に取り組むことができるよう、必要に応じていじめた児童生徒を別室において指導することとしたり、状況に応じて出席停止制度を活用したりする。
⑤ 状況に応じて、心理・福祉等の専門家、警察官経験者など外部専門家の協力を得る。
⑥ いじめが解決したと思われる場合でも、継続して十分な注意を払い、必要な支援を行う。また事実確認のための聞き取りやアンケート等により判明した情報を適切に提供する。
4 いじめた児童生徒への指導又はその保護者への助言
① いじめたとされる児童生徒からも事実関係の聴取を行い、いじめがあった事が確認された場合、組織的に対応し、いじめをやめさせ、その再発を防止する措置をとる。
② 事実関係を聴取したら、迅速に保護者に連絡し、事実に対する保護者の理解や納得を得た上、学校と保護者が連携して以後の対応を適切に行えるよう保護者の協力を求めるとともに、保護者に対する継続的な助言を行う。
③ いじめた児童生徒への指導にあたっては、いじめは人格を傷つけ、生命、身体又は財産を脅かす行為である事を理解させ、自らの行為の責任を自覚させる。
④ またいじめた児童生徒が抱える問題など、いじめの背景にも目を向け、当該児童生徒の安心・安全・健全な人格の発達に配慮する。
⑤ 児童生徒の個人情報の取り扱い等プライバシーには十分に留意して以後の対応をとる。
⑥ いじめの状況に応じて、心理的な孤立感・疎外感を与えないよう一定の教育的配慮の下、特別の指導計画による指導の他、さらに出席停止や警察との連携による措置を含め、毅然とした対応をする。
⑦ 教育上必要があると認める時は、学校教育法第11条の規定に基づき、適切に(教育的配慮に十分留意し)児童生徒に対して懲戒を加える事も考える。
5 いじめが起きた集団への働きかけ
① いじめを見ていた児童生徒に対しても、自分の問題としてとらえさせる。
② はやしたてるなど同調していた児童生徒に対しては、それらの行為はいじめに加担する行為である事を理解させる。
③ また学級全体で話し合うなど、いじめは絶対に許されない行為であり、根絶しようという態度を行きわたらせるようにする。
6 ネット上のいじめへの対応
① ネット上の不適切な書き込み等については、被害の拡大を避けるため、直ちに削除する措置をとる。
② 名誉棄損やプライバシー侵害等があった場合、契約している「ガイアックス」と連携をとり、削除など必要な措置をとる。
③ 必要に応じて法務局又は地方法務局の協力を求める。
④ なお児童生徒の生命、身体又は財産に重大な被害が生じる恐れがあるときは、直ちに所轄警察署に通報し、適切に援助を求める。
⑤ 「ガイアックス」との連携・連絡を適切に行い、ネットトラブルの早期発見に努める。
⑥ 学校における情報モラル教育を進めるとともに、保護者においても、これらの理解を求めていく。
7 重大事態への対処
(1)重大事態の意味
ア 「生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑い」
○児童生徒が自殺を企図した場合
○身体に重大な傷害を負った場合
○金品等に重大な被害を被った場合
○精神性の疾患を発症した場合
イ 「相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑い」
○年間30日を目安
○一定期間連続して欠席しているような場合などは、迅速に調査に着手。
※児童生徒や保護者からいじめられて重大事態に至ったという申し立てがあった時は、その時点で学校が「いじめの結果ではない」あるいは「重大事態とはいえない」と考えたとしても、重大事態が発生したものとして(報告)調査などに当たる。
(2)重大事態調査委員会の設置
(趣旨)
法に規定される重大事態が生じた場合は、その対処及び重大事態と同種の事態の発生の防止に資する為に、重大事態調査委員会(以下小学校調査委員会、中学校調査委員会、高校調査委員会という)を学校に設置する。
(構成)
・小学校重大事態調査委員会
校長、教頭、主事、宗教主任、学級担任、養護教諭、弁護士
・中学校重大事態調査委員会
校長、副校長、教頭、主事、各学年主任、クラス担任、カウンセラー、 養護教諭、弁護士
・高校重大事態調査委員会
校長、副校長、教頭、主事、各学年主任、クラス担任、カウンセラー、 養護教諭、弁護士
(設置期間)
調査委員会は、重大事態の発生ごとに設置する。
(所掌事項)
調査委員会は、重大事態に係る事実関係を明確にするために、調査を行う。
(3)いじめを受けた児童・生徒及び保護者への対応
調査委員会における調査を行う時には、いじめを受けた児童生徒及び保護者に対して、事実関係等の情報を適切に提供するとともに、いじめを受けた児童生徒及び保護者からの申し立てがあった時には、適切かつ真摯に対応する。
(4)事実関係を明確にするための調査の実施
① 重大事態に至る要因となったいじめ行為が、「いつ(いつごろから)」「誰から」「どの様な様態」であったか、いじめを生んだ背景事情や児童生徒の人間関係にどのような問題があったか、学校・教職員がどのように対応したかなどの事実関係を、可能な限り網羅的に明確にする。この際因果関係の特定を急ぐべきではなく、客観的な事実関係を速やかに調査する事に留意する。
② いじめられた児童生徒からの聴き取りが可能な場合
ア いじめられた児童生徒から十分に聴き取るとともに、在籍児童生徒や教職員に対する質問紙調査や聴き取り調査を行う。(この際いじめられた児童生徒や情報を提供してくれた児童生徒を守る事を最優先とした調査とする。~質問票の使用にあたり個別の事案が広く明らかになり、被害児童生徒の学校復帰が阻害されない様留意)
イ 調査による事実関係の確認とともに、いじめた児童生徒への指導を行い、いじめ行為を止める。
ウ いじめられた児童生徒に対しては、事情や心情を聴取し、状況に合わせた継続的なケアを行い、落ち着いた学校生活復帰の支援は学習支援等を行う。
③ いじめられた児童生徒からの聴き取りが不可能な場合
ア 児童生徒の入院や死亡など、いじめられた児童生徒からの聴き取りが不可能な場合は、当該児童生徒の保護者の要望・意見を十分に聴取し、迅速に当該保護者と今後の調査について協議し、着手する。
イ 調査方法としては、在籍児童生徒や教職員に対する質問紙調査や聴き取り調査などを行う。
ウ 当該児童生徒の保護者に対しては、主体的にアンケート調査、一斉聴き取り調査を含む調査の実施を提案する。また当該保護者とは調査の目的・目標・調査を行う組織の構成、調査の概ねの期間や方法、入手した資料の取り扱い、説明の在り方、調査結果の公表に関する方針などの出来る限りの合意をとるよう努力する。
エ 調査を行う組織については、第3者の参加をはかり、当該調査の公平性、中立性を確保するよう努める。
④ その他
行政諸機関の積極的な支援を受ける。
学校弁護士など、専門家の支援を受ける。
予断のない一貫した情報発信、個人のプライバシーへの配慮に留意する。
(5)学校の設置者および神奈川県私学振興課への報告等
重大事態が発生したとき及び調査結果については、すみやかに私学振興課に、その旨を報告する。対処については、必要に応じて、私学振興課と連携、協力して対応を行う。
第5章 学校の基本方針の評価
委員会を中心として、全教職員により、学校の基本方針の検証を行い、必要に応じて見直しを図る。
附則 この方針は、2014年7月18日に施行する。